雑記:JK時代に盗撮犯を捕まえた女がアラサーになって後悔を話す話
こんにちは、ゆきびっちです。
SNS上での痴漢被害が自慢として捉えられる話がネットで話題になっていましたね。
ふむふむと読んでいて、大変だなぁと他人事だったのですが。そこで気付いたことが一つ。
私そういえば痴漢被害に遭ったことがないわ。
何故か私の周りでは女性よりも男性のほうが圧倒的に痴漢被害に遭っており(そもそも女性間でもナイーブな話題なので話さないということもあるかもしれない)、やれ痴女にお尻を触られただの、やれ新宿駅のトイレで覗かれただの話を聞きます。
実質的な被害に遭ってない分、まだ私たちの会話の中では笑い話で終わっておりましたが。
そんな私でも一個だけ武勇伝があります。
私の知人は聞き飽きているかもしれませんが、実は高校生のときに電車の中で盗撮されたことがあります。
確か高校2年のとき?
渋谷駅から吉祥寺駅まで、要は始まりの駅から終点まで電車で通っていたのですが。
始まりの駅なので、登校時の朝は余裕で席に座れます。
そしていつものごとく居眠りをしていたのですが、ふと目覚めると他校の女子高生が2人私の席の目の前に立っている。
電車内も若干混み合ってきた様子。
すると全く初対面の女子高生2人から話しかけられました。
「あなた盗撮されてましたよ」
まじで?
どうやら渋谷駅からずっと私の前の席に座っていた男性が、携帯で私を撮っていたらしい。
そしてそれに気づいた女子高生たちは、私の前に立ってバリケードを作ってくれていたのでした。
終点より手前の駅で降りて行った女子高生2人。
感謝の意を伝えると、2人とも拳を握りしめて一言。
「絶対捕まえてくださいね!」
大役を担ってしまった私。
その時一切「こわい」などの感情はなく、むしろターゲット捕獲に目をぎらつかせているほど。
運よくその盗撮者も、私と同じ終点の駅で降りてくれたので、私は目でターゲットを捕捉しつつ、近くの駅員さんのところにダッシュ。
(いくら当時、自分最強伝説を唱えていても、さすがに一人で捕まえるなんて無謀なことはしません)
「あのひとに盗撮されたみたいです」
実際には犯行現場を見ていなかったため、若干ふわっとした言い方しかできない私。
勇敢な駅員さんに連行され、怯える盗撮者の男性。
近くの交番まで別々に連れていかれ、そこからまさかのパトカーで警察署へ移動。
もうテンションMAXになるしかない、この状況。
警察署に行き、女子高生から聞いた話を警察官に説明して待つこと10分。
警察官の方が、携帯を片手に近づいてきました。
「これ(画面)に写ってるのって君?」
どんな破廉恥な写真が撮られていたのかとドキドキしながら画面を見たら。
なんてことはない。
口を限界まで開ききって白目を向いて寝てる私の姿がそこに写っていました。
若干足開いてるし。
※注:再現しようと思ったのですが、案外やばかったのでうちのおネコ様が代わりに再現してくれました。
花の女子高生というよりは、飲んだくれたおっさんの終電乗車時の姿。
別の意味で冷や汗が出る私。
「あ、はい・・・私です」
なんたる拷問。
察してくれたのか、警察官の方が
「あ、でも、君を守ってくれた?女子高生のこたちのお尻の写真もあったんだよね」
とフォローを入れてくれる始末。
心の底からもう帰りたいと思う私。
しかも隣の部屋では警察官がおじさんの携帯に保存されたURLを見たのか
「なんだこのエロサイトは!こんなものを見てるから女子高生を盗撮するんだろう!」なーんてキツめの警察官のお怒りの言葉が聞こえてくる。
そんな…男だったら誰でもエロサイト見るだろうよ!!
もう「盗撮者をつかまえたぜ★」みたいなヒーロー精神なんて砂と化し、申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまいました。いや、盗撮はされているんだけれども。
結果、どうやら私が実際の犯行現場を見ていなかったということで現行犯逮捕には至らず、書類送検のみとなりました。その後その男性の方の奥様がお迎えに来られたらしいです。
私はというとパトカーで高校まで送ってもらい、授業中にそろりと教室に入ったのですが、もう時すでに遅し。
私の武勇伝は噂として広まっており、若干ヒーロー伝説化してしまっている様子。
もう、男性をドヤ顔で警察に連行させ、先方のご家族に闇を落とすわ、税金を無駄遣いさせるわ、で居た堪れなくなり確実に寿命が3年は縮みました。
その後、もうせめてネタにでもして昇華したれと、大学生のときに飲み会でこの話をしたら男性陣から
「(その男性は)お前の面白画像を撮りたかっただけだろ!!」
「勘違いすんな」
「全世界の男に土下座して謝れ」
などと猛攻撃を喰らったことは言うまでもありません。
ただいっときますけど、ちゃんと今回のもれっきとした軽犯罪ですよ。
※ただし児童ポルノ法などのわいせつなものではなく、迷惑防止条例違反とか肖像権(プライバシー権)とかそっちのほう。
まぁ、なんでこんな話をぶっちゃけたのか私自身も今回のブログの主旨を完全に見失ってしまいましたが。
冒頭で話に挙げたSNS上での痴漢被害報告の炎上については、SNS上での他人の悲しい被害報告に対して同情をしてストレスを抱え込むより、それを回避するために被害者を責めるというネットならではの心理的行動をお話されていた小野ホリディさんの記事が一番すとんと腑に落ちました。
今回の件において痴漢被害を話した方、それを笑う方どちらの肩も持つ気はありません。言うてしまえば、ここで過去の盗撮犯の話をしている時点で私も彼らと同じレベルなので。
しかしここで私ならではの別の視点を入れるとしたら、こんな感じ。
実際私自身も冒頭で盗撮者を捕まえたことを武勇伝とか言っときながら、正直若干トラウマになってもいます。
なんというか、法的判断においても自分が被害者、相手が加害者と善悪がはっきりした私の場合でさえも、自分の発言一つで、その人自身と家族にダメージを直接与えたわけですからね。
なんとなーく、10年経ってもわだかまりが未だ残っているわけです。
正直なんでこんなわだかまりを自分自身が抱えているのか不思議なくらい。
まぁ私が実質的な被害を受けていないというのが一番の理由だとは思いますが。
でもやっぱり自分が正しいことをしてたとしても、責めて怒って相手の心を打ち砕いた際、過剰暴行をした気分になり、言った本人も案外傷つくもの。
ネットの匿名性を活かして発言するのは人の勝手だけれども、キーボードを叩いている自分も、結局は生身の人間です。
正しいことを言っている人でさえもそのような気分になるのであれば、それが悪口だった場合、自分へのはね返りはどれほどのものか。
考えただけでも恐ろしい。
まぁそれならネットで生きようとするな、 偽善者くそびっち!なんて言われるかもしれませんが。
今回は発言して相手を傷つけるというのではなく、 発言した自分自身がそれをしっかりと回収できるほどの度量があるのかって話でした。
ハッ!説教ババァみたいになってきた!!
お言葉がすぎましたね。
最後なんて痴漢とか盗撮とか関係ないじゃないかという。
あと別に痴漢を擁護しているわけではありません。
痴漢も盗撮も犯罪は犯罪。被害者は必ず泣き寝入りせずに、国家権力に助けを求めたほうがいいと思います。
それでは。